外壁塗装における「スタッコ仕上げ」について解説

住宅を建てるときには、家の中だけではなく外壁にもこだわりたいですよね。外壁に悩んでいる人は、ぜひ「スタッコ仕上げ」にしてみましょう！外壁塗装にスタッコを使えば、細かな凹凸があるおしゃれな仕上がりの外観が叶えられます。今回は外壁塗装におけるスタッコ仕上げについて詳しく解説するので参考にしてみてくださいね。

「スタッコ仕上げ」とは？特徴を解説

スタッコ仕上げとは、数多くある外壁塗装方法の中のひとつです。水に石灰やセメントを混ぜた漆喰であるスタッコは、マンションや一戸建ての外壁だけでなくブロック塀などにも使用されています。

とげとげした仕上がりになるリシン仕上げと並び、住宅の外壁塗装に取り入れる人も多いです。最近はほかの素材を組み合わせて、より強度の高い仕上がりにする技術も開発されています。

素材の中に人工大理石などを使用すれば、ほかの住宅とは違うデザイン性の高い外観に仕上がるでしょう。泥のような状態で塗るスタッコ仕上げは、厚みや重厚感も感じられるため、洗練された雰囲気にもなりますよ。

加える塗料によってさまざまな色ができるのもスタッコ仕上げの魅力の一つです。まずはスタッコ仕上げの特徴を解説していきます。

スタッコ仕上げの方法

スタッコ仕上げには、2つの方法があります。ひとつ目は、職人がコテを使用して塗装する「コテ塗り工法」です。金属や木製などコテを駆使することで、個性的な模様の外壁に仕上がります。

仕上がりは職人の腕次第だとも言えるでしょう。コテ塗り工法にやりがいを感じる職人も多いです。コテ塗り工法を塗装業者に依頼する時は、しっかりとした技術を持つ職人に頼むようにしてください。

塗装業者ではなく、左官屋に依頼するのもおすすめです。依頼する塗装業者にサンプルを見せてもらえば、仕上がりもイメージしやすいですよ。

もうひとつの方法は「吹き付け塗装工法」です。吹き付け塗装工法は、コテ仕上げよりも安い価格、短い工期で行えます。吹き付け塗装工法では、塗料がミスト状に噴射される特殊な機械を使い、スタッコを吹き付けていきます。

また吹き付け塗装工程の仕上がりは「吹き放し仕上げ」と「ヘッドカット仕上げ」の2種類から選べます。吹き放し仕上げはスタッコを吹き付けた後そのまま固める工法、ヘッドカット仕上げは、スタッコを吹き付けた後ローラーなどで押さえる方法です。

吹き付け塗装工法にすれば、職人の技術にさほど影響されず、安定した仕上がりにできるでしょう。

しかし、経験が浅い職人に依頼すると、吹き付けローラーの押さえ方にむらが出ることがあるので気を付けてください。吹き付け塗装工法もサンプルを見せてもらうのがおすすめです。

スタッコ仕上げの耐久年数

スタッコ仕上げの耐久年数は、10年〜15年だと言われています。リシン仕上げより耐久年数は高いですが、シリコンを使用した一般的な外壁塗装に比べるとやや寿命は短いです。

スタッコ仕上げの費用相場

スタッコ仕上げの費用相場は、吹き付け塗装工法で1平方メートル当たり4,000円前後です。コテ塗り塗装工法は工期も長く、職人も必要とするため1平方メートル当たり5,000円前後になるでしょう。

30坪ほどある一軒家は、吹き付け塗装工法では約100万円、コテ塗り塗装工法では約150万円かかると考えてください。

スタッコ仕上げのメリット

スタッコ仕上げは、その耐久性と堅牢性により、長期的なコスト削減とメンテナンスの簡素化につながります。以下では、具体的なメリットを挙げていきます。

デザイン性が高い

スタッコ仕上げのメリットは、何といってもデザイン性の高さです。凹凸がある外壁は、石作りの壁のような高級感を感じられるでしょう。重厚感があるので、品のよい雰囲気にも仕上がります。

また、コテ塗りの塗装工法にすれば自分好みの仕上がりにするのも可能です。まわりとは違う個性的な外壁をしたい人にもおすすめですよ。

リシンより耐久性が高い

スタッコ仕上げは、リシンに比べて耐久性も高いです。リシンの耐久年数は7年程度ですが、スタッコ仕上げの耐久年数は10年ほどだと言われています。

また、スタッコ仕上げは壁の幅もリシンに比べて数ミリ厚く、ひび割れなども起こりにくいです。泥のような塗料を使用するため、雨や風、紫外線にも強くなります。スタッコ仕上げの外壁にすれば、家のダメージを予防できますよ。

スタッコ仕上げのデメリットや注意点

スタッコ仕上げは美しさと耐久性を備えていますが、その一方で維持管理が難しいというデメリットも存在します。

また、スタッコの仕上げが傷つくと、補修や塗り直しが必要となるなど注意点が必要です。

再塗装時には入念な作業が必須

外壁の再塗装にスタッコ仕上げをする場合、入念な作業が必要になります。まず、年数が経った外壁は汚れやカビが付着しているため、高圧洗浄で頑固な汚れを落とさなければいけません。

しっかりと汚れが落ちていなければ、塗った塗料もきれいに密着しないです。仕上がりをよくするための下塗りも必要になります。下塗りをしないと外壁の補修もしっかりとできないでしょう。

工期が長くなる

スタッコ仕上げはほかの外壁塗装に比べて工期が長くなります。職人によるコテ塗り塗装工法であれば、さらに工期が長くなるでしょう。雨や雪が降れば、その間は作業もできません。スタッコ仕上げは天気に左右されるので、梅雨の期間や台風が多い時期には避けるのがおすすめです。

汚れが付きやすい

細かな凹凸があるスタッコ仕上げは、溝に汚れがたまりやすいです。ざらついた外壁のため、コケやカビなども付きやすくなります。薄い色の外壁であれば、汚れも目立ちやすくなるでしょう。

汚れは時間が経つほど落ちにくくなりますから、スタッコ仕上げをした外壁は、こまめに掃除をするようにしてください。

コストがかかる

使用する塗料が多いスタッコ仕上げは、ほかの外壁塗装よりも材料費が掛かります。普通の外壁塗装の3倍程度の費用が掛かると覚えておいてください。

塗料の量を減らせば費用は安くなりますが、外壁の仕上がりに影響が出てしまいます。材料費を抑えるために塗料を薄める外壁塗装業者もいるので気を付けてください。

まとめ

スタッコ仕上げは、デザイン性が高く個性的な外壁に仕上げられる塗装方法です。重厚感や高級感を感じることもできるでしょう。壁自体に厚みが出るため、耐久性も高くなり外壁の劣化も防げます。細かな凹凸があるスタッコ仕上げは汚れがたまりやすいので、こまめに掃除するようにしてくださいね。また、ある程度の工期やコストもかかるので、依頼する外壁塗装業者に見積もりや工期を確認するのがおすすめです。手をかけた外壁は、素敵な家に一役買ってくれますよ。