外壁塗装は艶ありと艶なしはどちらがいい？塗料の「艶」とは？

外壁塗装工事を行うことで家の見た目をきれいにできるのはもちろん、建物の寿命を延ばすことが可能です。しかし、塗料にはさまざまな種類があり、どのような塗料を選べばよいかわからないという方も多いでしょう。そこで今回は、「外壁塗装は艶ありと艶なしどちらがよい？」をテーマに塗料の艶について解説します。

艶あり塗料と艶なし塗料の基本知識

艶あり塗料と艶なし塗料の基準は、60度の角度から100％の光を当てて反射した光がどれだけの割合届いているのかで判断します。外壁塗装の場合は艶あり、7分艶、5分艶、3分艶、そして艶なしの5段階に区別でき、それぞれ見た目や特徴が異なるのです。

外壁塗装における艶の基準は光沢度によって判断されるのが一般的。たとえば、光沢度が70％以上であれば艶ありとされることが多く、60％程度であれば7分艶となります。そして、35％前後の光沢度であれば5分艶、15％程度であれば3分艶ですす。さらに、5％以下の光沢度は艶なしというように考えられています。

ただし、あくまでも目安なので、必ずしもこの規則に当てはまるとは限りません。また、光の当て方や天候によっても見え方が異なるので、サンプルと実際の仕上がりイメージが異なる場合もあるでしょう。

艶ありと艶なしで耐久性は変わる？

塗装業界では、艶がある塗料のほうが耐久性が高いといわれています。表面に艶があることで、滑らかですべりやすいということから、ホコリやゴミが付着しにくいでしょう。ホコリやゴミが付着しにくいことから、耐久性が高くなるといわれているのです。

また、艶なし塗料のほとんどが通常の塗料に調整剤を混ぜて作られており、フラットベースという調整剤自体に細かな凹凸があるので、そこにゴミが溜まってしまいます。つまり、艶なし塗料のほうがホコリやゴミがつきやすいので、耐久性が劣ってしまうということです。

さらに、表面が滑らかなほうが撥水性に優れているので、雨による影響も少ないので耐久性が高いといえるでしょう。実際、雨による被害が大きく、撥水性というのは非常に重要なポイントなのです。

撥水性が悪ければ外壁に水分が残ったままになり、そのまま塗装面や外壁材に水が染み込んでしまうのです。そして、最悪の場合は室内へと浸水してしまい、大きな被害を引き起こしてしまいます。

現場で調整はできるけどしないほうがいい？

艶なし塗料は一般的な塗料にフラットベースという調整剤を混ぜて作ります。つまり、もともとは同じ塗料であり、現場で調整剤を調整すれば艶を調整することが可能なのです。

ただ、実際は現場作業で色や艶を調整するのはおすすめできません。というのも、塗料にはメーカーが定めた調合割合や温度などがあり、規定外のことを行うと本来の性能を発揮できない可能性があります。また、しっかりと塗料とフラットベースを撹拌できるという保証はないので、できれば現場での調整は避けたほうがよいでしょう。

だからといって、艶なし塗料を使用できないというわけではありません。塗料メーカーからすでに7分艶や5分艶、3分艶など、あらかじめフラットベースが配合された艶なし塗料もあるのでメーカー純正の塗料を使えば問題ないでしょう。

どちらがおすすめ？選ぶときの注意点は？

基本的には好みで塗料を選ぶのがおすすめです。もちろん、耐久性に違いはありますが、実際はそこまで大きな差はないでしょう。

ただし、屋根やサッシの色と合わせて色味や艶感を変えるのはおすすめです。たとえば、一般的な塗料を使用すると、光沢のある仕上がりになり、外壁塗装したことが一目でわかるでしょう。

さらに、柄つきのサイディングなど、最近の家に使われているような外壁材にも合うので、比較的どのような色味にもしっくりくるでしょう。

一方、艶がない塗料を使えばマットな仕上がりになるため、高級感のある雰囲気を再現できます。また、和風テイストな家にも合うため、切妻屋根や寄棟屋根にぴったりでしょう。

艶ありか艶なしかは見た目の好みで選んで問題ありません。ただし、とくに見た目にこだわりがないという場合は艶ありを選んだほうがよいでしょう。

というのも、耐久年数にそこまで大きな差がないとはいえ、実際は艶なしのほうが多少なりとも耐久性が劣ってしまいます。そのため、とくに見た目の好みがない場合は艶がある塗料を選んだほうが無難でしょう。

まとめ

外壁塗装工事を行うことで建物の見た目がきれいになるのはもちろん、家の寿命を延ばすことが可能です。また、最近は艶なし塗料も選べるので、好みに合わせて自由に選べるようになっています。

ただ、どちらの塗料を選ぶかによって耐久性が変わるのも事実です。というのも、艶あり塗料の場合は表面が滑らかなのでゴミやホコリが付着しにくいという特徴があります。

さらに、撥水性に優れているので汚れが落ちやすいだけでなく、酸性雨の影響も受けにくくなるでしょう。そのため、とくに見た目にこだわりがない場合は艶ありを選んだほうが無難です。